第60番 横峰寺【四国八十八ケ所霊場】

愛媛県西条市の小松町石鎚にある、第60番札所の 横峰寺 は、四国霊場の中でも非常に標高の高い場所にある札所かつ、昔は 遍路ころがし と言われるほどの難所でした。

今は林道が整備された影響で昔ほどの難所ではなくなり、バイクや車で近くまで行くことができますが、それでも標高が高いということで天候や気候に左右される部分もあり注意が必要です。

横峰寺(石鎚山 福智院)

車やバイクで行けるようになったとは言え、それほど道幅があるわけではありません。自動車やバスがこの見通しの悪い道路を走ってくるわけですから、運転には細心の注意が必要です。

この写真のような道をひたすら走り続ける必要があります。

林道の行き着く先には広々とした眺めの良い駐車場があります。

脚が悪くて車椅子の人でも参拝可能ですが、ここから境内まではまだ少し距離があります。

分かりやすい案内もちゃんとあります。ここからは歩いて境内まで行きます。

歩道は綺麗に整備されていますが、思った以上に距離がありますので、あまり油断しない方がいいでしょう。

特に車椅子など利用される方は、それほどの勾配ではないものの距離がありますので体力に余裕を持って向かいます。帰りのこともありますからね。

途中から未舗装の道と合流します。もうすぐ到達するのかと思わせますが、まだ歩きます。

道に迷うことはないのですが、このような森林の中をひたすら歩くので、山岳霊場であることを強く印象付けられますね。

やっとそれらしい建物がみえてきました。

こちらが境内の全景になります。境内そのものはコンパクトにまとまっており、導線もシンプルです。奥にある階段を降りていけば納経所に行けます。

駐車場からここまで、30代半ばの男性(私のことです)の脚で歩いて約6分程度かかりました。一人ですから黙々と歩きましたが、別に急いで歩いたつもりはありません。

ゆったりと景色を楽しみながら歩けばだいたい8分程度で到達できそうですが、帰りは上り坂ですからもっと時間がかかることでしょうね。

こちらが本堂です。なんだか神社を連想させる建物になっています。

本堂から大師堂をみてみると、まっすぐに綺麗な歩道が整備されています。

順番通りに参拝すると、まず最初に大師堂を通り過ぎて本堂に向かい、来た道をまっすぐ戻って大師堂を参拝し、また本堂の方へ戻って本堂を通り過ぎ、階段を降りて納経所へ行くことになります。

ちょっと行ったり来たりしないといけないので、導線的にはシンプルではありますが効率が悪いです。

しかし夏には花が美しく咲くようですし、山岳霊場の雰囲気を楽しむように散策してみるつもりで気長に参拝するのがいいでしょう。

大師堂はコンパクトな建物ですが、歴史を感じさせる建物です。

私が訪れたのは3月の下旬でしたが、まだ雪があちこちに残っていました。

さすがは四国霊場屈指の山岳霊場。前のお寺から普通に登って来ると、寒さの違いに驚くことになるでしょう。

バイクでは特に油断できません。

本堂から階段を降りると納経所があります。こちらも迷うことはありません。

納経所の中にはしっかりと暖房が効いています。来た道を戻るということを考えると、冷えきった身体を温めてから次に向かうのが良いでしょう。

ちなみに、林道が整備される前は歩いて来なければなりませんでした。本来の遍路道はこちらになります。

ちょっとのぞいてみただけでもかなりハードな印象です。

その遍路道を歩いて来ると、正式な門(仁王門)があります。

仁王門を通り抜けると左前方に納経所があります。

バイクや自動車で参拝する人は、歩き遍路の人たちとは逆の方向から参拝することになるんですね。

歩き遍路だとこのまま階段を登って本堂へ行き、次に大師堂へ行き、戻って納経所へ向かうという自然なルートで参拝することになるんですね。

なぜ私のようなバイクや自動車のお遍路さんは行ったり来たりするような導線になるのか、納得できました。

墨書と御朱印(写真中央)、御本尊の御影(おすがた・写真右下)です。しっかりとお経を唱えてからいただきました。

住職の「おつかれさまです」の一言が非常に心にしみましたよ。

バイクお遍路のポイントと注意点

この横峰寺は、自動車で行くのとバイクで行くので比較すると、色々な面で大きな差があります。

特に高地にあるということが大きなポイントとなります。

横峰寺までのアクセス

まず、この横峰寺だけが少し全体的な導線から外れているという点がポイントです。

どういうことかというと、これまでのお寺は主要な道路を普通に走って行けば順番にテンポよく番号通りの札所に進むことができるのですが、横峰寺だけが少しその順番から外れてしまうのです。

なので、順番通りに参拝したいのであれば、59番の国分寺を参拝した後で、61番の香園寺から63番の吉祥寺までを素通りして60番の横峰寺を参拝し、終わったら来た道をもどって61番の香園寺から進み直すことになります。

よほど順番通りに参拝することにこだわりがあるというならそれもいいかもしれませんが(私も1周目は順番にこだわりましたので)、実際に限られた週末の時間などをやりくりして参拝する時間を捻出しているようなお遍路さんだと少しの無駄も省略したいと思いますよね。

なので道順通りに参拝することを優先するのも一つの方法です。というかほとんどのお遍路さんがこの方法で参拝していると思います。

つまり59番→61番→62番→63番→60番(横峰寺)という具合です。参拝する順番に厳格なルールはありませんから、この順番がいいのではないでしょうか。

あと、63番の吉祥寺の住職に聞かれると思いますが、「次に横峰寺を参拝したいのであれば、カーナビに頼っていると迷子になりますよ」ということ。

これはスマートフォンの地図アプリやナビアプリを利用している人も同様なのですが、どういうわけか正確な道案内がされないようなのです。これが原因で道に迷ったり遠回りしてしまったという人が非常に多いのだとか。

不安な人は吉祥寺の住職に目印となるものを訪ねておくのもいいでしょう。私が参拝した時はコンビニがある信号機付きの交差点を曲がるとか、そのレベルの詳しい目印を教えてもらったように記憶しています。

国道11号線から県道142号線へ右折することになるので、そのように具体的にイメージしながら進むと大丈夫だと思います。

また、途中で林道を通るのに通行料が必要です。これは、自動車なのかバイクなのかによって金額が変わってきます。

私が参拝した平成29年3月20日時点では、バイクは400円でした。10年ほど前と比較すると値上がりしているようですので、今後はもしかしたらさらに料金が変化している可能性もありますので、注意しましょう。

あと、寒さの影響でバイクに不調が出た場合、携帯電話は圏外になるので助けを呼ぶのが困難になります。

バイクに限らず、ガス欠やそのほかのトラブルというのは自動車にも起こりうることですので、事前にしっかりとチェックしてから向かうのが良いでしょう。

私も以前にヒヤリとしたことがありますので。

こんなに苔がびっしりとむしている場所で、トラブルに見舞われるとどうしていいのかわからなくなりますよ。

走行にも十分に注意して事故など起こさないように特に注意しましょう。

横峰寺の駐車場は無料

林道の通行料として支払った金額には駐車場の料金が含まれていると思えば有料であると言えなくもないのですが、追加で支払うことはありませんから無料であるとも言えます。

いずれにしても、バイクで訪れることのメリットはあると思いますよ。

横峰寺は四国霊場屈指の山岳霊場で、非日常を感じられる素敵な札所

基本的にこのようなアクセスが良いとは言えないお寺にお金を払って参拝する時点で、なんとなくお遍路している人たちとは一線を画すると思います。

私の周囲にも、「せっかく四国にいるのだからお遍路をしたい」と始めた人は何名かいるのですが、市街地にあるアクセスの良いお寺を数ヶ寺だけ巡ってから自然と足が遠のいた人が多いです。

四国霊場は単なるスタンプラリーのようなゲームではありません。山あり谷ありの霊場を心静かにお経を納めながら巡る修行の旅でもあるのです。

バイクや自動車でお遍路しているのであれば、それほどの苦難ではないと思うのですが、それでもこの横峰寺への参拝は、お遍路の本気度がうかがい知れると感じています。

それと同時に、訪れる価値の高い素晴らしい札所であるとも感じました。

林道の料金所で温かいお茶をもてなしてお接待してくださった方とのふれあいも、忘れることはできませんね。

あと、この横峰寺は訪れる季節によっては難易度がかなり変わってきます。

冬から初春にかけての積雪がある季節には通行止になってしまうこともありますし、12月から翌年の2月くらいまでは納経所が開いている時間が朝の8時から夕方の16時までに短縮されるようです。通常は朝の7時から夕方の17時までですので、確認してから参拝するか、時間に余裕を持って参拝する必要がありますね。

あとバイクに限って言えば、駐車場は非常に眺めがよくで気持ちがいいのですが、寒い季節になると冷たい風が山から吹き下ろしてきます。

私が訪れた時は別に通行止になるような積雪はなかったのですが、それでも参拝したあとで駐車場に戻ると、鍵穴が凍りついてしまい鍵が入らなくなってしまったことがありました。

誰もいない時にあんな場所でバイクのエンジンがかからないとなると非常に焦りましたよ。

結局、境内まで戻って温かいお茶を10本ほど自動販売機で購入し、歩いて駐車場に戻ってひたすらお茶をかけ、熱で溶かして4本目でようやく鍵が入ったという経験があります。

6本のお茶はカバンに入れて持ち運ぶのが重かったですけど、捨てるわけにも行きませんからね。

あらかじめ、なるべく風が当たらないように、凍りつかないように対策を講じることをオススメします。おそらく手袋を被せておくくらいでは全く効果がないでしょうね。

私にとってこの横峰寺は、数ある札所の中でもある意味で最高難度の参拝経験となりました。

長い人生のほんの一コマですが、このような困難も後になってみれば笑い話になっているはず。臆することなく是非とも挑戦してみてくださいね。

Posted by 愛媛ブロガー Atsushi(@Atsushi_k0

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